リクは動きを止めない。 慈しむように、慰めるように。 とても奇妙な光景。 誘拐犯と私。 乾いた傷跡がまた水分を持ち始めている。 赤く、にじむ。 リクの行為で、また傷が疼く。 「うっ・・・・・・」 「痛い?」 リクの呼吸が傷口にあたる。 リクが話すことによって、皮膚が敏感に反応する。