誘拐 ―おまえに決めた―


私はお父様の養子だ。



実の家族のことを思い出そうとすると、

不思議の国の入り口でチェシャ猫が

邪魔してくる。



自ずの偏執的な趣味のために、

私を養子に向かいいれたあの男。



夜になると、親の愛情という名のもとに

私の身体を蹂躙する。



子供を授からなかった義理のお母様は、

私が養子に入ってすぐに自殺したらしい。