誘拐 ―おまえに決めた―


「何。この傷・・・・・・」



「きれいな肌じゃなくてすみませんでしたね」

私は皮肉いっぱいに笑った。




そうだもん。

私の肌は傷だらけ。

そしてその瘡蓋の後にまた新しい傷。



それでいっぱい。

見えない部分だけに、容赦ない傷。




私の皮肉な笑いを無視して、リクは一言も発せず。



「あんま見ないでくれないかな。

 若い女の身体を」



リク固まっていて、何だか気持ち悪いよ。