誘拐 ―おまえに決めた―


何でかな。

とても嫌いなこの行為。

不快じゃない。



そういう行為じゃなくて、

ただ身体を拭くだけだと

分かっているからかな。




「そんじゃ失礼します」


「うるせーよ。おっさん」


「おっさんじゃないのよ!

 まだ若いのよ」

オカマのようにしなる。



シャツが床に落ちた音がして、

私の肌は外気に晒されたことを

敏感に反応する。



キャミソール一枚になった私を見て

リクが目を見開く。