誘拐 ―おまえに決めた―


リクの金色の髪がさらさらと顔に当たる。

妙に柔らかい猫っ毛。




ぐい、ぐい、と舌が押入ってくる。


飲みこまない!と力ないままでいると、

なんとか私にパンを食べさせようとする舌に

口腔内が蹂躙される。



「はぁっ」


ごくり、

ごくり、

と柔らかくなったパンを少しずつ飲みこんでいく。