誘拐 ―おまえに決めた―


唇を押し開けられる。

リクの唇で。


喉の奥に、流れ込んでくるミネラルウオーター。


歯と歯が

『かちり』

小さな音を立てる。



口に入りきらなかった水が、私の頬を伝う。



その後に、ゆっくり咥内を這う舌。

口移しで流れてきた水分。



リクは私の口からこぼれ、

首筋を流れ落ちる水の跡を

舌で追う。



ぬるり




それはただ水分を吸収するには、あまりにも卑猥な動きで。