心が麻痺し始める。



色々なことがどうでもよくなる。

人はそれを「投げやり」と呼ぶのだろうけど、それすらどうでもいい。



異常な状況下で、まともな精神なんて保てないのは私自身が一番よく知っていたはず。


これが初めてじゃない。




「じゃあ、またおやすみなさい。眠れる森のお姫様」



この匂い。

私の唇周辺を漂っていたリクの手で、口元がまた何かで覆われた。




意識が、

また、

遠のく……。