「別に。構わないよ。殺せば」 私の口をついたのはただの強がりか、それとも心の奥底に住む黒いものの言葉か。 半分、ウソ。 半分、本当。 震える唇は止められないけど。 「いいね。人質はそうでなきゃ」 そういうとリクは笑わない目で、口だけでキレイに笑った。 リクの手が私の頬に触れ、ゆっくりと私の唇へと下る。 ざわざわとした触感と、無機質な私の気持ち。