「なんで、名乗ったの? 私に」


「コードネームのようなものだから、問題ない。『なんで』が多いな」

言いながら、リクは私の腕に巻かれた縄を外す。




「痛かった?」



リクが私の腕を持ち上げ、手首をぺろりと舐めた。



柔らかい舌が、私の手首を上下に這う。

ゆっくりと。

ぬるい体温と湿り気を伴って。




「えっ。な……」

状況が理解できない。



「血が出てる。少し」

擦り切れたんだな、

リクのその言葉とともに私の肌に吐息がかかる。





身体が硬直する。


色々な意味で。