誘拐 ―おまえに決めた―



だけれども、リクの反応は意外なものだった。


「ダメだ。これは俺に必要だ」



目の前が暗くなる。



「なんで・・・・・・」

「言ったろ。おれは強盗だってさ」



シニカルな笑いを浮かべるが、リクの目はとてもとても淋しそうに見えた。


今までにない位に。