「ああ、だけしか言えないの?」


「言えない、かもしんない」

リクはかたまったまま、口だけ動かす。



「リク、言えてんじゃん。ああ、以外も」

何言ってんだか、リクは。




「ああ」

また、『ああ』ですか。


「言いたいことあるなら、はっきり言ってよね」



「はい!じゃあ僕、言ってもいいですか。言いたいこと!」


何、手挙げてんの? 

こんな狭いところで。


しかも『僕』って。