その時、私の手の平にリクの指の感触。 少し驚いたが、顔には出せない。 顔はトイチの方をむけたまま、手の感覚に集中する。 私の掌で、リクの指がじりじりと動く。 <わ・か・る・か・?> リクが指文字で何かを伝えようとしている。 返事は。 返事はどうしよう。 「YES」の代わりに、私はリクの指を握る。