「うるさい」

「本当のこと、言っただけなのに」



ふわっとした感触を頭部に感じたと瞬間

「髪、乱れすぎ。マイは元気だな」

リクは、暴れて乱れた私の髪を正す。



その際、リクの手に残った水分が私の額に飛んだ。

「冷たい」



「何?」

リクは不思議そうにこちらを見る。



「おでこ。水、飛んだ」

先程のお返しとばかりに、あえて偉そうに私は言った。



「拭きとって。不愉快な気分」

額の中央に位置していた水滴が下がり、右のまぶたへ近づく。

少し右に傾いていた私の体勢通り流れる。