手術当日。





まだ、時間が有ったのでまー君はお母さんと売店に行った。





売店まで走って行くまー君を見て、男の人が「元気だな!」といった。





「元気じゃない! 元気ならこんな所にいないもん」





そう答えると、売店に入って行った。





病室に戻ると、そこには、“花子”の姿があった。





しかし、いつもの“花子”とは違っていた。





今日はお休みなので、私服姿で髪も下ろしていたのだ。





まー君はほんの少しだけ“花子”のを見て固まった。





ほんの少しだけ笑みを浮かべると、自分のベッドに戻った。





花子は後から来た母親と廊下で立ち話しをした。





暫くすると、まー君が四つ折にした手紙を持ってきた。





花子は手紙を受け取ると、読もうとした。





「今読んじゃだめ!」





そこには真っ赤な顔したまー君が居た。





まー君が書いた、生まれて初めてのラブレターである。





花子はまー君の言う通り、手紙をハンドバッグにしまうと、母親に会釈をして病院を後にした。