「まー君、注射しますからね」





「花子、下手だから嫌だ!」





「誰が“花子よ”私は山田花菜です!そんな事言ってるとうんと痛くしちゃうからね」





朝の恒例行事?である。





「明日花子は、傍にいてくれる?」





「明日は、お休みなの。ごめんね」





それきり、まー君は口を利きませんでした。





点滴が始まると直ぐに、まー君は寝息を立てた。





医師の説明だと、8割以上心配ないとの説明を受けたが…





母親はまー君の寝顔を見ながら、ふと、このまま まー君が手の届かない世界にいってしまうような気がしてた。





まー君は、1時間近く気持ち良さそうに寝てた。





突然目を醒ますと、母親の顔をジットみた。





そして…





「ママ。病気になってごめんね。今度生まれてきたら、絶対!絶対!病気ならないから、またママの子に生まれて来ていい?」





「当たり前でしょ!何百回生まれ変わってもママの子に決まってるじゃない」





こぼれ落ちそうな涙を必死に堪えて、まー君の手を握った。





安心したのか、再びまー君は眠りはじめた。





その時、まー君と母親はおたがいに、何かを感じあっていた。