泉沢に話しかけられて有頂天なアユミと、内容にガッカリするアユミがすぐに連想出来る。

さて、返事をどうしようか。泉沢にとりあえず大丈夫と返信を入れたほうがいいよね。

アユミのメールを閉じて、泉沢のメールを開く。

『三橋です。自転車はパンクしたので、親切な人の車に乗せてもらったから大丈夫。』

送信。

素っ気なかったかな?
もう少しフォローするかとメールを打とうとしたら、携帯がメールの着信を知らせて震えた。

相手は、泉沢だ!

『相手は知り合い?もう家?』

はっやー!
泉沢の反応にビビる。
待ってました的なこの返信の早さは何?!

『もう家だよ。初対面だけど親切な人でした。世の中捨てたもんじゃないね。泉沢も心配してくれてありがとう』

かわいいっぽいデコ文字つけて、あたしにしては珍しく華やかにしたメールを送信。

泉沢とメールする日が来るなんてね。彼のファンに知られたら怒られそうだ。

ちょっと優越感。

ニヤニヤしながら、アユミへの返信を打ち始めたらまた携帯が震えた。

驚いて作りかけのメールを閉じてしまう。

誰だよ!?

乱暴に携帯開くと、また登録していないメールアドレス。

泉 沢 !

『無事でよかったな。他人の車に乗るなんてもうやめとけよ』

短いメール。でもその中に彼の人柄が伝わってくる。

泉沢、イイヤツだな。

あたしはご機嫌でアユミにメールを打った。

『なんかよくわかんないけど、アユミがいうとおり泉沢っていー奴だね!』