キンコンカンと鐘の音。


帰りなさいと鳴っている。


それでも私は帰れない。


お家がどこだかわからない。






疲れて不安で寂しくて


わーんわーんと泣いてた私。






トントントンと肩を叩かれ、


くるっと後ろに振り返る。


そしたら困った顔の君。


「帰れないの?」と心配してた。


「お家の近くに何がある?」


そうして尋ねてくれた君。


「○○病院がある」


唯一覚えてた私の記憶。


「それならこっちに行けばいい」


自転車をおりて歩く君。


なんだかちょっと嬉しくて、


てくてくてくてくついてく私。







やっとお家に着きました。