さわさわさわさわ
風の音。
ざわざわざわざわ
ココロが騒ぐ。
「また家まで送ろうか」
とても凛々しくなった君。
前を向いて歩いてく。
「ちゃんと1人で帰れるよ?」
可愛くない、そんな私。
いきなりくるっと振り向いた
そんな君に驚いた。
ドキドキドキドキ
私の心臓。
蘇る、あの頃の記憶。
「久しぶり」と笑う君。
「久しぶり」と私も返す。
2人とも
ふふふと笑顔になっていた。
「また“あか”だね」
そう言う君に
ハテナをいっぱい
浮かべた私。
足元を差す指の先。
私の草履は
あかい鼻緒。
君の草履も
あかい鼻緒。
「あ、お揃い♪」

