あたしは殴ろうと右の拳をあげた、
その瞬間

『その辺にしとけ』

なるみがあたしの拳を抑えていた。

浅見とあたしの間には大宮が立って、浅見を守る形に入っていた。

【分かったよ!はなせっ!】
あたしはなるみの手を振りほどいた。

浅見は後ろで小さな笑みを浮かべていた。

【てめっ……】
『お前さー』

あたしが浅見に文句をつける前になるみがきれた。
『転校生だからって可愛がって貰えると思ってんのかしらねーけど、』

なるみはツカツカと歩きだし、浅見の頭をツンっと押して、

『きもいよ』
っと言って教室からでていった。