キーンコーンカーンコーン
廊下で硬直するあたしを無視してチャイムが鳴る。
「ほら吉野ー早く中はいれよー」
先生の声にハッとし教室に入る。
斜め後ろには
大沢ー…
ずっと左側をみてあたしのほうを見ない。
そんな横顔にも胸が高鳴る。
そんな場合じゃないのに。
ーやっぱり好きなんだ。
ガラガラ
「今日は席替えするぞ」
「やったー!」
「まじ最高だねえ☆」
「隣になれるといいなあ」
みんなざわつきはじめる。
あたしはボーッと黒板を見つめる。
あたしだけじゃなかった。
大沢もビックリした顔で先生の顔をみていた。
ー大沢と本当に別れちゃう。
