学校に行く途中、満員電車に乗ったり、人混みの中を歩いたり…と私にとっては少し体力が足りなかった。

昔からこういうのは苦手。


そんな時、裕也が何も言わずに私の手をとってくれた。

手から伝わってくる裕也のさりげない優しさ…

「大丈夫、俺がいるから」


そう言ってくれてる気がした。

私は裕也の少し茶色のかかった髪の毛を見つめながら、手を強く握りかえした。