警察署に来ていたシータの家族に、シータとケメが付き合っていたこと、そして、ケメのお腹にはシータの子どもがいたことを聞かされた。
　シータの母親は、あのヘルメットをオレに見せ、
「ジュン君、今までありがとうね。ホンマにありがとう。もう野球はできないけど、あの子は、あ、こ、は、……」
　と泣き崩れた。
　事故の調査が終わり、警察署を出ようとすると、入り口まで見送ってくれた警察官が言ってくれた。
「野球、やめたらアカンで」