ようやく、「ゆったり」とまではいかないものの、三人がなんとか座れるスペースを見つけることができた。
花火は少しの間を空けて、夜空をめがけて何発も続けて上がる。赤に黄に青、そして緑の輝きを放ちながら。それはまるで、夏の夜空を駆けめぐる丸い虹のようだった。
しかし、途中から風がなくなり、煙がその場から動かなくなった。その煙の中で「ひゅ~ん」と音を立てて、まっすぐ上に飛んでいく花火は、閃光を放ち、ワンテンポ遅れて「ポォ~ン」とこもった音が、割れたように響く。しかし、こちら側からはその光があまりよく見えない。
途中、ふと横目でケメをみると、ケメはボォ~と空を見ていた。花火の光が観客の顔を照らすのだが、ケメの顔には青色がよく映り、悲壮感が漂っているようにも見えた。
花火は少しの間を空けて、夜空をめがけて何発も続けて上がる。赤に黄に青、そして緑の輝きを放ちながら。それはまるで、夏の夜空を駆けめぐる丸い虹のようだった。
しかし、途中から風がなくなり、煙がその場から動かなくなった。その煙の中で「ひゅ~ん」と音を立てて、まっすぐ上に飛んでいく花火は、閃光を放ち、ワンテンポ遅れて「ポォ~ン」とこもった音が、割れたように響く。しかし、こちら側からはその光があまりよく見えない。
途中、ふと横目でケメをみると、ケメはボォ~と空を見ていた。花火の光が観客の顔を照らすのだが、ケメの顔には青色がよく映り、悲壮感が漂っているようにも見えた。
