やっとの思いで河川敷の花火会場につくと、すでにレジャーシートやダンボールで席がとられていた。芝生の上に敷かれたそれらは、格子模様のアロハシャツのようだった。
甚兵衛を着て雪駄を履いたツンツン、サラサラの金髪のホスト風の男と、浴衣を着たギャルの集団が、
「かんぱぁ~い」
と缶ビールや缶チューハイを高々と上げて騒ぎだす。勢いよく飛び散る酒に、周りの人はすごく迷惑そうだったが、それを気にも留めない彼ら彼女らの騒ぎ方がいかにも祭りっぽく、活気に満ちあふれていた。
そんな人混みの中、ヨシナはキョロキョロと辺りを見回しながら歩いていた。シータを探しているのがすぐにわかった。しかし、すごい人で、シータの姿を見つけることはできない。
そのことでどこが寂しそうだったのは、意外にヨシナではなく、ケメのほうだった。ケメの様子は明らかにおかしかったが、ヨシナはそれを知っていて知らないふりをした。
そんな微妙な雰囲気の中、
「わ~ッ」
という歓声の中、一発目の花火がうち上がる。まだ座る場所も決めていないのに、花火は調子よく、続けて何発も打ち上げられた。
甚兵衛を着て雪駄を履いたツンツン、サラサラの金髪のホスト風の男と、浴衣を着たギャルの集団が、
「かんぱぁ~い」
と缶ビールや缶チューハイを高々と上げて騒ぎだす。勢いよく飛び散る酒に、周りの人はすごく迷惑そうだったが、それを気にも留めない彼ら彼女らの騒ぎ方がいかにも祭りっぽく、活気に満ちあふれていた。
そんな人混みの中、ヨシナはキョロキョロと辺りを見回しながら歩いていた。シータを探しているのがすぐにわかった。しかし、すごい人で、シータの姿を見つけることはできない。
そのことでどこが寂しそうだったのは、意外にヨシナではなく、ケメのほうだった。ケメの様子は明らかにおかしかったが、ヨシナはそれを知っていて知らないふりをした。
そんな微妙な雰囲気の中、
「わ~ッ」
という歓声の中、一発目の花火がうち上がる。まだ座る場所も決めていないのに、花火は調子よく、続けて何発も打ち上げられた。
