「ここやでぃ」
「あっ、ジュンヤ」
ヨシナが気づいてくれた。ケメはあいかわらず、ぼけぇ~としている。数秒遅れでオレに気づく。最近、少し天然ボケっぽいと思うときがある。
合流してから三人で、花火が見える河川敷へ向かった。すでにそこまでの道は人でいっぱいになり、湿ったような生ぬるい空気が漂っている。
道路に並ぶ夜店で、たこ焼き屋に寄る。油でテカテカに光る鉄の型の上で、「ジュジュジュジュ~」とたこ焼きが絶妙な柔らかさに焼けている。熱気で顔が赤くほてったおっちゃんが、必死にたこ焼きと格闘していた。
「にいちゃん、いくついっとこ」
「一こ」
「あいよぉ~、五百円」
その威勢のよさに、たこ焼きの温度がさらに熱く感じられた。その数軒横に、今度は真ん丸のじゃがバターが今にも転がりそうに並んでいる。買ってしまった。四百円。今日はなかなか羽振りがいい。きわめつけはヨシナに買ったりんごあめ。
「おいしそ~」
りんごあめを一直線に眺めるヨシナの瞳に思わずおごってしまった。
「ケメもいる?」
「ううん」
ケメは顔を左右に振り、ペットボトルのお茶を飲んでいた。
少しフライングして買ったたこ焼きやじゃがバターが人にくっつかないようにと気を遣いながら歩くので、狭い道がさらに通りにくくなった。
「あっ、ジュンヤ」
ヨシナが気づいてくれた。ケメはあいかわらず、ぼけぇ~としている。数秒遅れでオレに気づく。最近、少し天然ボケっぽいと思うときがある。
合流してから三人で、花火が見える河川敷へ向かった。すでにそこまでの道は人でいっぱいになり、湿ったような生ぬるい空気が漂っている。
道路に並ぶ夜店で、たこ焼き屋に寄る。油でテカテカに光る鉄の型の上で、「ジュジュジュジュ~」とたこ焼きが絶妙な柔らかさに焼けている。熱気で顔が赤くほてったおっちゃんが、必死にたこ焼きと格闘していた。
「にいちゃん、いくついっとこ」
「一こ」
「あいよぉ~、五百円」
その威勢のよさに、たこ焼きの温度がさらに熱く感じられた。その数軒横に、今度は真ん丸のじゃがバターが今にも転がりそうに並んでいる。買ってしまった。四百円。今日はなかなか羽振りがいい。きわめつけはヨシナに買ったりんごあめ。
「おいしそ~」
りんごあめを一直線に眺めるヨシナの瞳に思わずおごってしまった。
「ケメもいる?」
「ううん」
ケメは顔を左右に振り、ペットボトルのお茶を飲んでいた。
少しフライングして買ったたこ焼きやじゃがバターが人にくっつかないようにと気を遣いながら歩くので、狭い道がさらに通りにくくなった。
