「吉峰ちゃん、シャーペン貸して?」

と首をコテン、と傾けて上目使いで手を差し出してくる福城くん。
何故か3回連続で隣の席。

「いーよ、はい」

「ありがとう」

といって満面の笑みを浮かべる。
…可愛い。

福城くんはしょっちゅう忘れ物をするみたいで、よく、
「シャーペン貸して」とか
「教科書みして」とか
「ノートあとで貸して」
とか言ってくる。

別にいーんだけど、福城くんが教科書忘れた時は困る。
机をくっつけて見るから接近しちゃうし、福城くん絶対途中で寝ちゃうから。
いつもこっちを向いて寝られるから目は閉じてるんだけど見られてるみたいで授業どころじゃない。