* * *





「ひ、姫様…?!」
「…ただいま」
「どうされたのですか?!お体がびしょ濡れでいらっしゃい…」
「触るな…!放っておいてくれ!!」
「ですが…」
「…これはあたしからの命令だ。」
「………かしこまりました。」



部屋に戻るまでに何度も転びそうになった。



正直言って、喋るのも辛い…



部屋にたどり着くと、そのままベッドに倒れこんだ。




「風邪…ひいたかな……」



頭がボーッとして、体がうまく動かない。



あんなに雨に打たれたはずなのに、心の奥のイライラした気持ちが晴れない。



朔真の言動ひとつひとつで、舞い上がったり、イライラしたり…





本当、あたしの心はどうしちゃったんだろう……