俺は急いでトイレに行って、さっき渡された紙袋の中を見てみる


俺のサイズピッタリの男子児童の制服にメイク落とし…


着替えた後、なんとなく麗夜から渡されたメイク落としを使いたくない…

━ドン


「早くしろ」

トイレの外壁を蹴る音と麗夜のキレた声で、急いでメイクを落としてると

「残念…取っちゃったんだ、メイク。可愛かったのに」

トイレの出入口で、足と腕を組んだ男が、声を掛けてきた。


「あれ?もしかして俺の事忘れちゃった?苑澤「苑澤 雷だろ?覚えてるよ」

「相変わらず可愛くねーな、お前」


カッコいい顔をクシャっとして笑うこいつは、俺より一つ上、つまり高2でオレらと幼なじみの
苑澤 雷(ソノザワ ライ)
父親は有名大学病院の医者で、母親は一流エステティシャン、
そして祖父は地元で一番でかい病院の理事長…
要は金持ちの坊っちゃん。


なのに…
普通の家で、家族と質素な生活してるから、小学校卒業するまで普通の奴だと思ってたのに…


「もしかして…まだ、「気にしてねーよッ!!ただ…ホントの兄貴みたいにしたってたのに…裏切らた気分だっただけだ!!」

「ごめんな?知ってると思って「分かってる!雷は悪くない!ただ…ちょっと…」


「ハハハ…本当、明日歌って昔から、俺の言いたい事言う前に分かってスゲーよ」


「お前が分かりやすい…」


雷の背後に鬼が立っていた。


「お話中ごめんねー。
お前ら時間見てる?早くしろってっていたよな?耳ないの?それとも本当の馬鹿?
雷もさ…そんなに暇なら生徒会の仕事しろよ!!」

「「スイマセン」」


麗夜によって俺らの会話は、強制的に終了した