「俺は今日から…咲弥さんの執事補佐だ…よろしくな…蓮さま」

 神さんと呼ばれる男性は皮肉げに挨拶。


 「執事補佐??俺は聞いてないぞ!!」

 「…そうか…それよりも君が…蓮さまのセクハラに耐えるメイドさんか~
俺は如月神
(キサラギジン)」

 蓮さまと同じ如月家の人間??

 それがまた…どうして執事補佐?


 「…俺は旦那さまの弟 充(ミツル)さまの愛人の子…蓮さまとは4歳違いで…
幼い時からお目付け役として…亡き徹さまと二人の面倒を見ていた」


 「へぇ~っ」



 「言わば…幼馴染み!」

 神さんはサングラスを外して、私を見る。

 瞳の色が海の色。

 「俺のおふくろは外人だったんだ~」

 「そうですか~」

 瞳の色の訳も即座に納得。

 「しかし…あいかわらずだな…そのパンダ好きは~」

 神さんの声音には皮肉と呆れが入り混じっていた。