白黒プリンスと囚われのメイドさま


 「この間…ステファンの綻びを直してもらった御礼だ」

 「え…あ…」

 素直に喜んでいいわけだ…。

 私は安堵感からホッと息が漏れる。



 「……キスさせろか…それもいいなあ~」


 蓮さまは不敵な含み笑いを浮かべる。


 「ええっ!!?」


 蓮さまに変な入れ知恵をしたみたい…。
 

 私はいらない事を言ってしまったと後悔。


 「……もう昼だな~行くぞ」


 蓮さまが先に腰を上げた。


 「……」

 私も弁当の入ったバスケットを持ち、腰を上げる。