車はゆっくりと駐車場を抜けてゆく。

 ガッコを出て、信号待ち。

 「美紗緒さん…例の物を」

 私は膝に乗せていた袋を渡す。

 「…お前の入れ知恵か?咲弥」

 「まあ~」

 如月君は袋からパンダのぬいぐるみを出した。

 「また…少し変わったな…」

 如月君はマジマジとパンダのぬいぐるみを見つめる。

 何が変わっているのか私にはさっぱり…分からない。

 「!?」

 如月君は袋に残っていたカチューシャを手に取る。


 「これは?」


 「美紗緒さんの物です」


 「お前の?」


 如月君の神妙な声。