白黒プリンスと囚われのメイドさま


 帰りがけに、出口付近にある土産屋に立ち寄る。


 結局、パンダ以外の動物は見ずに終わる。


 パンダ有名な動物園とあってパンダのぬいぐるみがたくさん並ぶ。


 「これですね」


 咲弥さんが1体のパンダのぬいぐるみを手に取った。


 ミンミンとレンレンのぬいぐるみセットもあったけど、咲弥さんは目も暮れなかった。


 「双子のパンダが生まれた当時から売られたぬいぐるみです…名前は有りませ
ん…少しずつモデルチェンジはされていますが…蓮さまはこのぬいぐるみを好まれています」


 咲弥さんは私にパンダのぬいぐるみを渡す。


 パンダのぬいぐるみを毎晩、抱いて寝る如月君。


 私は思わず想像して、一人で笑う。


 「……これもついでに買いましょう」


 咲弥さんが急に私の頭に何やら付けた。


 パンダ耳のカチューシャ!!?


 「似合います」



 咲弥さんは悪戯が成功した子供みたいな笑みを浮かべた。主が主なら執事も執事だ!!