「はい…わかりました」

 咲弥さんは両手のシャツの袖を捲くり…イソトマの花を手で僅かな砂とともに掬い、キレイな何も植えられてない鉢に植え込む。

 男性にしては本当に女性のような細やかさを咲弥さんは持っていた。

 執事は常に主に仕え、気を張る。

 アバウトでは出来ない仕事。

 私は室内に戻り…箱に服を詰めた。

 持っていってもこんな「イマムラ」の服は着る機会ないかな!?

 日本の5本指に入るスーパーセレブの如月家。

 色々と苦労は多いけど…。

 私は如月家に行くしかない。

 「水を少し…頂けますか?」

 「はい」

 新しい鉢植えに植え込まれたイソトマの小さな花。

 咲弥さんは台所に行く。

 ほんの数歩で台所に行けてしまう…狭い部屋。


 如月家の邸宅はいったいどれくらいなんだろう?