「これはどうしますか?」

 ベランダの置いていた花の鉢植えを持って来た。

 「出来れば…持って行きたいんですけど…」

 「わかりました…箱に詰めておきます」

 母が大切にしていた鉢植えたち。

 全部持って行ってもいいかな。
 
 「全部…詰めてもらってもいいですか?」

 咲弥さんはベランダに出て、鉢植えを整理。

 ベランダの端に置かれていた…汚れた鉢を触っていた。

 「それは処分して下さい…」

 「…種が飛んで花が咲いてます…」

 「えっ!?」

白い小さな花。茎はとっても細く…土は乾きって萎れていた。

 「全然…気付きませんでした…」

 「これはイソトマです…」

 「名前は知ってます…」

 「花言葉は?」

  私は知らず…言葉に詰まる。

 「神聖なる思い出…後である場所に行きます…その場所で…ある人から聞いた思い出をお話します」