部屋に戻り…美紗緒さまに心が落ち着くハーブティーを淹れる。

 「ありがとう…拓斗さん」

 美紗緒さまが俺を本名で呼ぶことに抵抗はなくなっていた。



 美紗緒さまの執事を務めて半年。

 連さまに比べたら…全然、楽な主人だった。

 テーブルには見合い写真が積み重なり、これ以上重ねたら崩れそうな状態。

 「……」

 美紗緒さまはその束を見て、深い溜息。


 旦那さまは…71歳の高齢。


 最近、体調も悪い。


 自分の老い先が短いの察して…美紗緒さまには早く結婚して欲しいと願っていた。