「……」

 俺は出来ずに居た。

 美紗緒が居なくなれば俺は…一人だ…。

 レンレンやステファンたちが居るが…彼らは俺に何も答えてくれない。


 
 父上に言った言葉…。

 言葉とは逆のことを今…思っている…。


 俺は全身全霊で、美紗緒を護る自信はある…。

 
 でもそれは…咲弥が居てこそ?

 俺は自分の思う以上に…咲弥に依存していた。


 今の俺は片翼を失くした飛べない鳥みたいだ。





 俺は…美紗緒の唇に唇を寄せる。

 気持ちが揺らいでる自分を見せたくない。

 角度を変えて何度も美紗緒の唇を貪る。