「……入るぞ」


 俺は咲弥の部屋に入った。

 「!!?」

 咲弥は執事の服を脱ぎ、茶系のスーツを着て、ボストンバックに荷物を詰めていた。


 「咲弥…??」

 「蓮さま…私は本日限りで…あなたの執事を辞めさせて頂きます」

 「どう言うことだ!!?」

 「私の知りたいことはすべて…知ることが出来ましたから」


 いつもの鉄壁の顔で俺の質問に答える。


 「俺はそんなこと許さない!!」

 「……私の主は旦那さまです…旦那さまには電話で許可を頂きました」


 「おい!!!咲弥…お前!!?」

 俺は咲弥に掴みかかる。