俺は蓮を巻き込みたくなかった。


 「しかし…」


 蓮の態度は頑なだった。俺がどんなに説得しても…蓮は真相を知るために…親
父の元を尋ねるだろう…。


 「俺も旦那さまの元に行く…」


 俺も逃げてばかりは居られない。現実を受け入れる覚悟をキメた。

 

 「神…」


 「それよりもステファンが落ちたぞ!」

 俺は蓮の落としたステファンを拾い上げる。



 「!!!?」


 俺はテーブルの裏側にテープで貼り付けられた小さな黒い箱を発見。


 「どうした?神」


 黒い箱を俺はテープごと剥がして、手にした。


 「これは??」


 盗聴機!!?


 咲弥の仕業!!?