「…父上??」

 理人さんが慌てて、私たちの元に来た。

 「酔ってるみたいです」

 「美紗緒さんはいいから…中に入って」

 「は、はい…」

 私は理人さんに任せて部屋に戻った。

 亜子が私の前に立つ。

 「パンダ…話があるの」

 ひと目を避けるように別のバルコニーに私たちは出た。

 「……いつから蓮君と付き合っていたの?あのファミレスで紹介した時から?」

 「私は…この屋敷にはメイドとして来ただけで…付き合ったのはつい最近で」

 「メイド?あんた…如月家のメイドだったの?」

 「……」

 「どうやって蓮君を取り入ったわけ?そう言えば誰かが…妊娠してるって…言ってたわ
~それマジなの?」

 ライトアップされたバルコニーは昼間のように明るく、亜子の嫉妬に歪み、私
を詰る表情がくっきりと見えた。