「……徹はこの湖で溺死したんだ」

 「!!?」

 蓮さまは立ち上がり、湖面を見つめ、私に話し始める。

 「でも…溺死じゃないと殺人だって言い張る刑事さんが居たんだ…徹の頭には殴られたような痕があったらしくて…溺死と言っても…水をそれ程飲んでいなかったらしい…
ともかく…その刑事さんは熱心に捜査をしていた…」

 「へぇ~っ」

 「でも…その刑事さんもこの湖で…死体となって発見された」


 「!!?」


 「…それからだ…この湖が封鎖されたのは…俺も徹のことがあって水嫌いになった」

 「蓮さま??」


 「お前も如月家の人間となる…ちゃんと話しておいた方がいいかと思って…連れてきた」

 
 「……ありがとうございます」


 「帰るか?美紗緒」

 「はい」

 私たちは湖に背を向けた。