たいよう

ウチと俊介は二人きりになった。

ここで帰ったらウチ空気読めない人だよねー。

「どうするか。どこ行きてえ?」

「別に、どこでもいいよ?」

「んじゃ、ちょっとついて来てもらえる?」

「うん...」


俊介のあとに続いてやってきたのは空き地。

そこら辺で野球をやっている少年達もいる。

俊介は、草の上へ腰を下ろした。

「俺、空見るの好きなんだ。」

「ふーん。」

「雲が少し動いたり、雲が一つもなかったり、色が濃かったり薄かったり。いろいろな表情がみれる。
人間の心の中みたいに
複雑じゃなくてスッキリしてる感じが
すげえ好きなんだ。」

「わかる...」

「え?」

「ウチも空見るの好き....だから」

「そうなんだ。」

そういって照れくさそうに笑う俊介はあなたにそっくりだった。

まぶしすぎるくらいの笑顔で彼はずっとずっと空を見つめていた。