「離れた時間がどんどん増えるごとにね、私わがままになっていくんだ
忙しいってわかってるのに「会いたい」とか
部活だって勉強だって頑張ってるの知ってるのに、「私とどっちが大切なの?」とか
そんなこと考えちゃうんだ
高校の時は隣にいてくれるのが当たり前で
二人で笑い合ったり泣き合ったりするのが日常だった
だけど今は声を聞くことすら難しくなっちゃった
私は樹が大好きで、ずっとずっと一緒にいたいと思ってる
けど……けどね、
声も聞けない
言葉ももらえない
触れられない
笑顔が見れなくて
気持ちがわからない
それじゃ、やっぱり不安になるし、「好き」って自信もなくなってくんだ
それは私がいけない?
わがままなのかなぁ」
誰かに聞いて欲しかったのかもしれない
このどうしようもない不安と寂しい気持ちを
「大丈夫だ」って誰かに言ってもらいたかったんだ...
「ばーか」
「ふぇっ!?」
朝が、いきなり私の頬を両手で包んだ


