遠距離恋愛



「坂本ー!最近異常に調子良いじゃん!

何かいい事でもあった?」


部活の休憩中、グラウンドの近くの水道で顔を洗っていた俺に、マネージャーの渡辺先輩が声をかけてきた


渡辺先輩は俺の2つ年上で、部内を陰ながら支える、みんなの姉さん的存在だ


「まぁ……ちょっと」


「へー!!何、何?」


「それは秘密です」


彼女にもうすぐ会えるから浮かれて調子良いなんて、恥ずかしくて言えないよな………


「えーー!全く、坂本って秘密主義だねー!」


なんて、明るく答える先輩に対して、グラウンドからいくつか視線が向けられているのに気づく


渡辺先輩は小さな顔に大きな瞳、少し茶色に染まったサラサラのストレートの髪を、今は少し高い位置でポニーテールにしている


客観的に美人だろう


まぁ、そんな訳で部内では姉さん的存在兼、一部ではマドンナ的存在でもある


そんな先輩と二人きりでの会話は、周りからの視線が痛い………