俺は不安な気持ちに勝てず、いつもより早い時間だったけど
里菜に電話をかけた
プルルル……プルルル……
俺の右耳に電話のコールの音が響き
またそれが俺の中の不安を大きくした
プルルル……プルルル……
いつも3コール以内に嬉しそうな里菜の声が聞こえてくるのに
プルルル……プルルル……
何回なっても俺の右耳にはその声は聞こえてこなかった
しょうがないから一度電話を切ろうとボタンに指を伸ばした時
『もしもし…?』
やっと耳に入ったのは、嬉しそうというよりは
今起きたかのような眠そうな里菜の声が聞こえてきた


