里菜との思い出がたくさん詰まったこの高校
ここで里菜に出会って
恋をして
二人で泣いたり笑ったりした
全てはここから始まったんだ―……
「二人でこうしてると高校の時に戻ったみたいだね
懐かしいなぁ...
あっ!!
ねぇねぇ、私たちが初めて話した時のこと覚えてる?」
高校のグランドの脇の芝生に座って
里菜が聞いてきた
「初めて?
いつだったっけ?」
「えぇー!!
樹忘れちゃったの!?
私はちゃんと覚えてるのにぃ」
「うーん」
「大切な思い出なのにぃ」
「うーん」
なんて覚えてないふりしたけど
本当はちゃんと覚えてる
忘れるわけない
だって俺は“あの時”から
里菜のことを気になり始めたから
今でも心の中に大事に大事にしまっている思い出なんだ


