『“いつか”の前のちょっとした予約』
なんて簡単に言った俺だけど
よく考えたらプロポーズしたようなもんだよな?
もちろん里菜といつか結婚するつもりでいるけど……
昨日からやたらと甘いことを言っている自分に
今更ながら恥ずかしさが込み上げてくる
けど里菜泣いて喜んでくれたもんな
「サイズピッタリでよかった」
里菜はなんでこの指輪を知っていたのか
驚いていたけど
実は昼間里菜が道でこの指輪を眺めているのを
影からこっそり見ていた
その姿がかわいくて
俺からプレゼントしたくて
里菜がトイレに行った時にダッシュで買いに行ったわけ
おじさんがまだいてくれてよかったし
里菜のことを覚えていて丁寧に見ていたサイズまで教えてくれた
シルバーに小さい光る石が埋め込まれたかわいいリング
里菜の指によく似合ってる
今はまだ安物のリングしか渡せないけど
“いつか”ちゃんとしたものプレゼントするから
里菜、もう少し待っててくれな?


