遠距離恋愛


「なんで....?」



瞳を開けて違和感の正体がわかった時
また私の頬に涙がつたった




「“いつか”の前のちょっとした予約」



何それ.....



「な...なんれこれわかったの?

いつ買ったの?」


涙が溢れて溢れて
上手くしゃべれない



「それは秘密

里菜、もう一回聞くけど
これからも俺と一緒にいてくれる?」



目の前に樹の優しい笑顔と
左手の薬指に光る、私が昼間憧れて見ていたリング


驚きが大きくてなかなか言葉が出てこない代わりに
涙が次々溢れ出す




「ずっとずっと一緒にいる

樹...愛してる」



“好き”じゃ小さすぎて
“大好き”でもまだまだ物足りない

そんな気持ちをきっと人は
“愛してる”と呼ぶんだね



初めて感じたこの気持ちは樹の腕の中に消えて

「俺も里菜のこと愛してるよ」

甘い甘い声と共にベッドに溺れていったー……