「ありがとうな」
樹の優しい笑顔
「里菜、おいで」
ベッドに腰掛けた樹が
私を手招きする
私は迷うことなく樹に抱き着いた
「樹、会いたかったよ...」
「うん」
樹の腕の中はあったかい
私の心もポカポカ温かいよ
「里菜、聞いて?」
私の顔を覗きこんだ樹
その表情は真剣だった
「俺達高校卒業してから二人離れ離れになってさ
全然会えないし
俺の部活があることでまともに電話だってできないし
里菜にはすごい寂しくて辛い思いさせてしまってると思う
俺も里菜に会えなくて毎日寂しかったし」
“寂しい”なんてめったに言わない樹からの言葉が嬉しかった


