家に入れた
「今日は友達のところに泊まる」
の電話
二人手をしっかり握って向かったのは
樹が予約していた小さなビジネスホテル
実家があるのに
なんでわざわざホテルを予約したのか聞いたら
「実家帰ったら母さんきっとうるせーし
それに俺は里菜に会いに来たんだから
大丈夫だったら里菜と一緒に過ごしたいと思って」
なんて
嬉しいことを言ってくれた
チェックインを済ませて
入った部屋は少し狭めのもの
ベッドと小さなテーブルとユニットバス
必要最低限に揃えられたものたち
「金ギリギリでさ
狭い部屋でごめんな」
「ううん
樹と一緒だったらどこだって嬉しいもん」
本当にそう思う
樹と一緒にいられるこの空間が
嬉しくてたまらないから


