あ.... 私声出てた? 「あ……えっと……」 「...俺も」 「えっ?」 「俺も帰したくないよ」 繋いだ手の力が強くなって 樹の瞳には私が映ってて 「ばか…… そんなこと言われたら 本当に帰れなくなるじゃん」 「うん... 俺今日は帰せないや」 高校の時は こんな言葉言える人じゃなかったのに 鈍感でさ 照れ屋なくせに 「里菜、今夜は俺と一緒にいてよ」 甘い言葉なんてずるいよ 「うん」 私の言葉なんてわかってるくせに けど樹の言葉がすごく すごくすごく嬉しかったんだ